(アルバム曲についての解説です)
Kanonは、全アルバムの中で1番悩み、1番最後まで自分で直し続けた曲でした。
後半、気がつけばあっと言う間に散ってしまって
気持ちの行き場もなかっただろうなと思う彼女。
画面には写らなかった部分では、きっとこうだったのでは…という気持ちを綴ってゆきました。
テーマも「一騎へのせつない想い」だったので、
17話では、余り強調して描写されなかった
多分どこかで行き場をなくしていたカノンの恋する気持ちを
改めて昇華するような気持ちで書きました。
17話の放映後少ししてから歌の収録がありました。
小林沙苗さんに
「とてもカノンの気持ちですね…」と言っていただけて
すごくうれしかったでのを覚えています。
歌入れではまさに、カノンが命を吹き込んくれたと思う仕上がりになりました。
小林さんは、やさしくて温かくて、大きな海のような方で
少年のようなカノンとは、少しタイプは違うのに「やっぱりカノンだなぁ」と何故か思ってしまったのは
ひたむきで温かな方だったからなのかも知れません。
「私にとってもカノンはとても大切なキャラクターです」とおっしゃっていました。
カノンには、たくさんの名場面がありました。
そのひとつひとつを思い出して繋げてゆくような構成にしてあります。
詞を書いた頃はまだ脚本しかなくて、大好きなカノンがいなくなってしまう辛い部分を
ぐしゃぐしゃになった顔をタオルで拭いながら拭いながら読んで、
そして、また泣きながらガンガン頭を痛くして書いた…何だか今思うと
少し自分でも恥ずかしいような作業風景でした。
いつも真っすぐに一騎が好きで、そして感情がすぐ表に出てしまうカノンが
押し殺していたせつない思い…。
自分を誰より分かってくれていた一騎を大切に思う気持ちと
葛藤と、会えないまま散ってしまった悲しみを私なりの目線で書きました。
皆さんの中のカノンの想い出に、少しだけまた何か残るとうれしいです。