今年も猫の額くらいの小さな庭…と言う名の駐車スペースのたくさんの鉢に
薔薇が咲き始める。
ここ数年、それを見る度申し訳ないような気分になる。
ほとんど手をかけてあげてないのに毎年律儀に咲いてほころんでくれる
白や薄いピンクやアプリコットの花たち。
広いベランダのマンションに住んでた頃、たくさんの植物を育てていた私は、
5年前小さな家を建てた時、迷わず庭が欲しいと思った。
けれど多分に漏れず都心ゆえの狭小住宅の為に、庭など夢で
結局小さな車がやっと置けるくらいの駐車スペースの周りに
鉢などを置くことにした。
最初の頃は、張り切って薔薇の鉢やらをぐんぐん買い足し
たくさんの花が咲き、殺風景なコンクリートを打っただけのガレージであっても
人々が足を止める程とても美しかった。
ところが次第に私は、水をやるのも手入れをするのも段々苦痛になっていく。
引っ越し先のご近所の方々は、とても気持ちのいい方ばかりで
オープン外構で道に面したそのスペースで作業していても
笑顔で挨拶して下さったり、薔薇を褒めていただいたり本当にありがたかったのだけれど
その中に1人だけどうしても苦手なおばあさん(元気なのでおばさんに見えるけど
うちの両親より年上らしい)がいた。
毎朝、そして時間に関係なく神出鬼没に犬を連れて現れて
長話をしてゆく。
それも根掘り葉掘りプライバシーにガンガン踏み込んでくる。
土地は?家は、幾らだったの?
旦那さんは何の仕事なの?
何才なの?
親に買ってもらったんでしょう?
え?あなたも仕事してるの?
いえ、親の援助は受けていません。というと不満なのか
そんなはずはない的なことや…あれやこれや…
このあたりが、私は本当に不器用でダメな大人だと痛感するのだけれど
余りというか全く上手にかわすことができない。
もちろんまともに答えはしないけれど、口ごもってしまったり
上手く答えられないくせに会話を切り上げてさっさと家に戻ることすら出来ない。
毎日のように現れて色々追求され
30分くらい話しても帰ってくれないおばさんに会うのが日に日に辛くなり
そのうち手入れはもちろん、水をやるのも目を盗んでこそこそと大慌てでするようになる。
そして、外でばったりでくわすと
「あら最近会わないけど…」
「枯れた植木鉢が…留守かと思った」
などぐいぐい私のつらい所に踏み込んで来る。
いつか私は、家の近くは逃げるように足早に通り過ぎたり、姿を見かけると
逃げたりするようになってしまった。
この頃からしばらく体調が悪かったことも手伝って、私はすっかり
外に出るのも、花の水やりや手入れも苦痛になってゆき
少しずつ小さな庭は枯れていった。
そして私も引きこもって行った。
それでも生きている植物がかわいそうで、時々は、おばさんの目を盗んで水をやったり
たまにそそくさと剪定をしたり、肥料をあげた。
虫に喰われてもそのままにして、そのうちそこを大急ぎでジョキジョキ切り落としていった。
水だけは…
夏は毎日、その他の季節は1日おきくらいに
家族にも協力してもらってやり続けた。
本当に伸び放題、枯れ放題手入れの行き届かない荒れた庭になってしまった。
でも。
そんな私の申し訳ない気持ちをを許してくれるかのように
顔を上げなさいと言うように
5月になるとたくさんの花を付けて咲いてくれる薔薇にクレマチスに
時々泣きそうになる。
ごめんね、ごめんね。
ありがとう。
今年もまた、咲き始めた。
そして私は随分元気になった。
もう、おばさんが来ても頑張れるかもしれない。
無精者の庭にも薔薇は咲く。
枯れたかと思ってた鉢が華麗に復活したりもする。
植物の生命力の素敵さに今年も圧倒される。
やっぱりやっぱりシイナさんの言葉や文章が大好き。
そして「小心者のガーデン」と「人見知りロック」(私)のタイトルに、勝手にリンクを感じてうれしくなってしまいました。
そしてそして、
シイナさんのお庭事情、まるで私の実家みたい!…笑
実家のうちにも、
苦手な近所のおばさん(犬を連れて根ほり葉ほり)と
近所に住む親戚のおばさんがいつもいろんな時間に出没するので、私もそうだけど、母も、ドギマギしちゃって、
せっかくの自分のお庭なのに、自由に出て行けなくって、よく嘆いています。
親戚のおばさんなんかは、お庭の椅子にどっかり座って1時間以上も話をしていくので、母はもう泣きそうです。。。
時間もなくなっちゃうし、ここでお花をみながらお茶を飲みたいな…と夢見ていたのに、それがこんな形になろうとは。。。
ご近所づきあいって難しいね。。。
かくいう私も、
マンションの管理人さんが、かなりズケズケしたおばさまで、会うといろいろ聞いてくるし、ほんとは管理人なだけで、大家さんでもなんでもないんだけど、なぜかすごく威張っててて、苦手なので、自分のマンションなのに、表のエントランスから出入りできず、いつも暗い裏口から出入りしています。。。
こちらの性格もあるのだろうけど。
もごもご…!
でも、お庭のバラたちは、
シイナさんのそんな気持ちも
わかってくれているんだろうな。
きっと、身体がつらいときも、おばさんに会いたくないときも、こそこそお水くれたり肥料くれたりしてありがとう、って咲いているのね。
きれいだな・・・・・
来ちゃった♪
老若男女問わず
自分からして弱い相手だと把握し
言葉悪いけどオモチャって言うか暇潰しみたいにやっかんで来る人って
その人自身は、凄く弱かったり
中身がなかったりする
そうか
妬みとか…
なんにせよ
ママは、悪くないし
気にしなくていいと思う
私が近くにいたらこう言う
ママのパーソナルスペースに入るなよって(-_-)
ありがとう。
何か色々びっくりしてしまった。
お母さん、何だか私と色々似てるよね。
同じ…いえそれ以上の辛さを味わってらっしゃることに
びっくりしました。
お家でも気をつかって、お外でも気を遣って…
本当にお気の毒で。
もっと楽に生きて、自由に伸び伸びお母様らしく笑顔で
いらして下さいって人の事言える立場でなんかない私でも
お伝えしたくなるよ。
犬のおばさんのみならず、最大の強敵は親戚のおばさま…
これは大変ね…。
私まで涙が出そうよ。
それでも、オルタナちゃんのご実家のお庭はあんなに美しくて
お母さんと、そしてお父さんが丹精込めてお庭に愛情を注いでらっしゃるからだってすごく伝わってきます。
私の理想のお庭だよ。
いつかそこでお母さんがゆっくりお茶できる日が来ますように。
そして、かわいそうなオルタナちゃん…。
私も裏口からきっと出入りするわ…。
今までの自分の管理人さんはとても優しくてしあわせだったのだなと思い知らされました。
でも、管理人さんはただの雇われ管理人さんのはずだから
もう少し強気になれたらいいのにね…。
でも、私も無理…笑。
いつかオルタナちゃんが、正面玄関から堂々と
1人で出入りできますように!
(そして私も堂々と朝でも昼でも水やりを…!)
ありがとう。
犬のおばさんはきっとさびしいのだと思うの。
お話したいことが一杯あるけど、きっとご家族では受け止めきれないのよ…。
後からやって来たよそ者の弱みと
ご近所の方と波風たてたくない気持ちと
お年寄りを邪険にしたくない思いと
ノーがはっきり言えない弱さがぐちゃぐちゃに混ざってw
一気に頭を駆け巡る訳だけど、
きっと自分がすごく元気で心が強い時は
何て事ないような気もする。
あの時の私は、すごく弱っていたから。
今ならもう少し上手に言えるかもしれないなぁ。
かばってくれてありがとう。
しっかり者のChloeちゃんに理路整然とかばってもらえて
何だかとても心強かったよ!